男子フィギュア羽生結弦が負傷で協議続行「死んでもやる！」のかっこよさ

昨シーズン世界選手権、オリンピック、GPファイナルのすべてで金メダルを獲得し三冠王となった羽生選手は「今年こそ期待以上の圧倒的な成績を見せなければならない」と語っていた。

「去年と同じ自分ではいたくない。今年の自分で勝ちに行く」

そんな熱い気持ちで臨んだＧＰファイナル、最大２大会に出場できるＧＰファイナルで羽生選手は中国大会と日本大会にエントリーした。

１１月７日から中国上海ではじまったＧＰファイナル中国大会の２日目の８日、アクシデントはおこった。

フリー演技前の練習中に羽生選手と閻涵(エンカン)が正面衝突。固い氷のリンクにたたきつけられた羽生選手は倒れてしばらく動けなかった。

しばらくして立ち上がったが、顎の部分から流血、約１０分間の応急的な治療をした羽生選手はコーチの再三の「体が大事だよ、よく考えるんだ！ヒーローになる必要はない！大丈夫か」の問いかけに

「死んでもやる！」「跳ぶ！」

と叫びながら競技へと向かう。

実際の演技では、ふらつく足取りもみられ、５回の転倒をしたものの、４回転ジャンプなどを成功させ高得点で２位に入った。

同コーチは「ここでヒーローになる必要はないと伝えたが、彼の意志は固かった」と話した。教え子を「誇りに思う」と顔を紅潮させた。

演技後の治療ではあごを７針、側頭部は医療用ホチキスで傷口を３か所とめた他、左脚に肉離れの症状があったという。

怪我をした選手がすぐに競技を継続することの是非について、議論が沸き起こっている。

実際に負傷直後には、解説の松岡修造氏は「出場するべきではない！」と繰り返していた。

羽生選手は帰国後の精密検査の結果、異常がみられなかったようで一安心だが、今後の選手生命に影響が出るような事態となっていたら、周りの責任問題に発展していた。

それにしても、一見少女漫画に出てきそうな線の細いイメージの羽生選手。根性が座っている。普通の選手ならけがの後で滑ることなどできないという、まして４回転ジャンプまで。男らしいぞ！！

羽生結弦選手のプロフィール

羽生結弦（Yuzuru Hanyu-はにゅう　ゆずる）
国籍　日本
生年月日　１９９４年１２月７日（１９歳）

出場大会　中国大会、日本大会

２０１４年　世界選手権金メダル、ソチ五輪金メダル、ＧＰファイナル金メダル