佐々木つとむ刺殺事件
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事件にまきまれた芸能人
ものまねタレント、佐々木つとむ(本名佐々木宏幸(ささき ひろゆき)さんは、1987年9月4日夜、同棲していた東京都板橋区高島平の39歳女性宅のマンションで全身メッタ刺しの死体で発見された。死後一週間が経過しているとみられ、8月30日夜から8月31日未明にかけて殺されたと見られた。享年40歳だった。
元祖ものまね四天王
昭和50年代前半にはたびたびテレビに登場し、はたけんじ、団しん也、堺すすむとともに「元祖ものまね四天王」と呼ばれ、寅さんの渥美清さんの物まねなどで人気があった佐々木つとむだが、晩年はテレビから遠ざかっていた。なお、ものまねタレントの神無月は佐々木の最後の弟子であった。
ギャンブルと借金
佐々木さんはギャンブルにのめりこんでギャラもその日のうちに使い込むようになり、数千万円とも言われる多額の借金を作り、妻子とも別れてくらすようになっていた。
交際相手の女性ともギャンブルが縁で知り合い、借金の一部を肩代わりしてもらうなど世話になっていたが、佐々木さんはさらに金銭を要求したり、女性の貯金や貴金属に手を付けるなどの行為を繰り返し、女性との仲も険悪になっていたという。
犬を殴って殺される
佐々木さんは、下着姿でカーペットの上に仰向けに倒れ、座布団やバスタオル、シーツをかぶせられていた。全身を刃物で刺された失血死だった。
殺害の原因は、同居の女性が飼っていた犬を佐々木が殴って骨折させたことで激高したものとみられている。もちろん、犬のことはきっかけに過ぎず、つもり積もった諍いがあったものとみられる。
女性は遺書を残して姿を消し、2日後の9月6日に青森県むつ市大湊の陸奥湾で入水自殺した。
女性が残した遺書は、殺害された佐々木さんの隣の部屋のテーブルの上に残されていた。
「おとうさん、わたしもおとうさんのそばに行きます、でもわたしがおとうさんをころすなんてゆめにもおもわなかった、あのよでふたりでやりなおそうね」
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