矢沢永吉オーストラリア３５億円詐欺事件

矢沢永吉さんは還暦を過ぎてもなお、パワフルなロックを歌いステージでも暴れまわるカリスマロッカー。日本一かっこよくてパワーのあるおやじの一人と言ってもだれも異存はないでしょう。

そんな矢沢さんが１９９８年に身内に横領された巨額の詐欺事件が「オーストラリア３５億円詐欺事件」です。
詐欺の被害額もすごいですが、なんと矢沢さんは事件後にこの３５億円を５～６年で完済してしまったといいます。（※実際には１５年くらいかけて返済したという説もあります）

このオーストラリア事件は、矢沢さんがオーストラリアのゴールドコーストに、自身の音楽の拠点となる総合施設を作ろうと構想し、３ブロックにわたって土地、ビルを買収した物件に絡んだ詐欺事件で、当時、この案件を担当させた部下が巧妙に文書を偽造するなどして総額３０億円以上の負債を矢沢本人が背負うことになったというもので、当時の世間を騒がせた大事件でした。この事件は２０１３年現在でも、オーストラリア犯罪史上2番目の被害額です。

この事件を受けて、矢沢さんが何を思い、どんな行動をとったのか、ということについては、矢沢さんの２冊目の自伝となる「アー・ユー・ハッピー？」で語られています。

[colored_box color=”red” corner=”r”]「矢沢がやられたよ、だまされちゃったよ、大借金くらっちゃったよ、あいつバカだよな」
結局、マスメディアが言ってることはこれだけだった。[/colored_box]

[colored_box color=”red” corner=”r”]マスメディアってのはその程度のものだとわかったね。怒りよりももっと暗い気分になった。
だけど、オレは信じてる。オレの音楽に拍手してくれてるファンだちは、一緒に悲しんだと思うよ。
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[colored_box color=”red” corner=”r”]オレは負けるわけにはいかない、と思った。
「こいつら、待っているんだろうな、オレが破産するのを。こいつらにいい思いさせたくないよな。」[/colored_box]

[colored_box color=”red” corner=”r”]何が何でも借金を片づけなきゃいかん。「あの男は落ちねえな」と思わせるところにいかなきゃオトシマエがつかないだろう。[/colored_box]

[colored_box color=”red” corner=”r”]オレは一歩も引かない。[/colored_box]

[colored_box color=”red” corner=”r”]このままじゃ、世の中に正義ってもんがないってことになる。[/colored_box]

[colored_box color=”red” corner=”r”]オレはだまされた自分のことがいやじゃない。詐欺に気づかなかったオレのほうがまともだ。そういう人間を陥れるヤツのほうが、さびしい人間だと思う。[/colored_box]

[colored_box color=”red” corner=”r”]無くしたものは、もしかしたら、なにひとつなかったね。[/colored_box]

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矢沢さんは、巨額の詐欺事件にあった年もバリバリとコンサートをこなし、曲を書き、走り続けて、生活レベルを一切落とすことなく借金を完済したといいます。

現在、アメリカに在住の矢沢さんの豪邸は、何度かテレビで紹介されていますが、まさにスーパースター、ボスの名にふさわしい見事な住まいでした。

※写真は矢沢永吉や渡辺謙が住んだという豪邸

日本のスーパースター、矢沢永吉さんのオーストラリア詐欺事件について紹介しました。
なお、この事件を起こした主犯、河田博巳には禁固１０年、３年４カ月で仮釈放がつき、共犯、福里は禁固４年、１年で仮釈放という判決でした。

これをうけて、矢沢さんは「あっそう、裁判って茶番だね」と思ったといいます。